仙台高等裁判所秋田支部 昭和25年(う)42号 判決
刑訴法第三二八条にいわゆる証明力を争うための証拠にするには、右書面について同法第三二六条の同意を求める必要はないが、右書面の証拠調をするには、これについて弁護人の意見を聴き、異議申立の機会を与える必要のあることまことに弁護人所論のとおりである。しかして原審において前記各供述調書の証拠決定に際して弁護人所論のようにその意見を聴くことなく異議申立の機会を与えなかつたとしても、元来証拠決定に際し、弁護人等の意見を聴くのは、証拠の採否についての裁判所の判断の参考に資するにすぎないものであり、前記証拠の採否は裁判所の自由裁量に属するところであるから、右弁護人の意見を聴かないで証拠決定をした違法は直ちにこれに対する異議の申立がなされない限り、その瑕疵は治癒されるものといわなければならない。
(後略)